将来的に起こり得る老年看護の問題

老年看護は高齢化社会が進む、今後ますますニーズが高まる領域です。一方で多くの問題に直面しており、その一つに需要と供給のバランスが挙げられます。高齢者が増えることで、老年看護に取り組む医療機関では多くの病床が必要となるでしょう。同時に入院期間の長期化も予想され、病床が不足し入院できない事態になりかねません。

また、少子化も需要と供給のバランスに大きな影響を与えています。少子化や核家族が増えることで、高齢者が退院しても受け入れ先がない事態が起こりやすくなるのです。そうなると高齢者の入院期間がさらに長くなる傾向があり、すでに社会問題にもなっています。

さらに、高齢者のニーズを満たす医療や福祉のサービスが十分ではない点も、老年看護に対する大きな問題です。ニーズが多様化する中でも、必要なサービスやケアを受けられない高齢者が増えていることは、より大きな問題へと発展する可能性が高いでしょう。

こうした問題については、看護師や病院が老年看護に対するニーズに向けた解決策をとることが求められるでしょう。とはいえ、看護師や病院がこれらすべて解決できるわけではなく、もっと大きな規模で根本的な解決策が必要になると考えられます。

しかし、その状況下においても、中には看護師が取り組めるものもあるかもしれません。たとえば、高齢者のQOLを重視した看護ケアを工夫して提案することで、目の前の高齢の患者や将来患者になり得る人をサポートできます。